あるミスと、それに対する周囲の反応を目撃する機会がありました。
ミスすることを何とも思わないというのはいけないのですが、ミスをすることをあまりにも怖がるあまりにミスが連鎖する、というのもいけません。
私の経験
学生時代の部活動でそれを痛感しました。
プレイの中で何かミスをした際に、それが明らかに自分の怠慢や不注意である場合は、素早くさっと切り替えることもできました。
しかし、自分なりに必死にやっているつもりのに、ちょっとうまくいかないようなプレーになる、そしてそれによって怒られる、ということを経験すると、ミスの連鎖が起きやすかったです。
要するに、そのミスの要因がはっきりしていればそれに注意をするということで次からのミスは防げる可能性があるわけで、さっきのはここが悪かったので次からは直そう、という切り替えがしやすいのです。
一方で、そのミスの要因がはっきりしていなくて、なぜ自分はミスをしてしまったのだろうかもよく分からないままでいると、今度はうまくいきますようにという祈るような気持ちで、次のプレーをしてしまいます。
結果として、偶然にもうまくいく場合ももちろんあるでしょうけれども、ミスはしないようにミスはしないようにという気持ちでプレーをしますので、思い切ったプレーがなかなかできない結果、同じようなミスをしてしまうということがありました。
で、また怒られて縮こまるって、またミスを恐れてしまうというところまでがセットです。
あるいは、何かプレーの中でミスをしてしまった場合に、それを取り返そうとはするものの焦ってしまうことで、次のプレーが雑になったけっか、ミスがミスを呼ぶということもありました。
別に本人としてはそのミスをしようと思ってしているわけではなく、ミスをしてしまった、取り返さなきゃという思いで次のプレーをしているだけなのです。
冷静になって考えれば、ミスをしてしまった以上そのミスを取り返すことは非常に難しく、であればそのミスによる傷口を広げないように慎重に次のプレーをするというのが正解なのでしょうが、なかなかそんなに冷静に状況を分析してられないというのが本人の心中です。
プロのスポーツ選手を見ていても、たまにそういうミスがミスを呼んでいるようなプレーを見ることがあります。
何度も反復練習をしながら素晴らしい技術を持っているプロであっても、状況によってはそうなってしまうということなのだろうと思います。
まあそれこそが、メンタルが大事と言われる理由であり、また人間がやることの怖さであり面白さでもあるのでしょう。
我々の人生そのもの
こういうことはもちろん、スポーツの世界に限ったことではなく、会社員として働いている上でも起こりえることですし、普段何気なく生活をしているだけでも起こりえることです。
資産形成のための投資活動などをしている人であれば、人が損をした時に、次はその損失を取り戻すくらい大きく儲けてやろうとした結果として、より損失を拡大させるなんて話も聞いたことがあるはずです。
それもまた冷静に状況を見られていないことから起こってしまうことなのではないかと思います。
最初の損失の時点で止めておけば、そこで損失はいったん止まるのに、そこで焦って取り返そうとするからより損失が拡大するというのは、ミスがミスを呼ぶということに他なりません。
そういうのを避けるためにも、投資は短期目線ではなく、長期目線でというのも、短期的な損失は気絶して忘れておけばむしろ損失規模は小さくなる、むしろ利益になるかもしれないんだから短期で一喜一憂するなということなのかなと思っています。
まあ、最初の入りを間違えてしまうと利益を生むことは難しいのかもしれませんけれども。
人間ですのでミスはしますし、場合によってはそう意図していなくてもミスがミスをよんでしまうこともあります。
ミスをするということは何か動いているということだと思いますので、いったんその動きを止めて冷静になってみる、ということが大切なのは間違いありませんが、組織の一員として働いているのであれば周りに相談をしてみるというのも非常に効果的です。
自分は大きなミスだと思っていても、周りからしてみればよくあることで焦らなくていいミスであることもあるでしょうし、ミスの挽回策を知っている人がいるかもしれません。
そういうのもありますので、組織で動く以上は、ミスをした人がそれを隠してしまうような環境ではなくて、積極的にそのミスを開示してくれるような環境にしないといけないというのは正しいのでしょう。
ミスをすると怒られる、詰められる、それが恐怖になっているという環境では、ミスをしたことを他人に共有したいと思う人は少なくなるのは間違いありません。
ミスをしないに越したことはありませんが、ミスをしたとしても、それをしっかりと周りに公表できる環境づくりをするというのが組織のメンバーや、特に上層部の人には求められるのかもしれませんね。
ミスそのものを責めることは必要ですが、ミスを隠したくなるような環境は良くありません。
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