よく話題になっていることのような気がしますが、定年後の退職金を銀行員に言われるがままに投資信託などに投入し、含み損が出ていて困ったというようなニュースがあります。
聞いた話ですが、退職金が口座に振り込まれたら、当然に銀行はすぐにわかるみたいで、支店長から挨拶をしたいなんて電話がかかってきて、個室に招かれて特別扱いを受けている感覚を持ったまま、あれよあれよと銀行側に話をまとめられて結果として勧められるがままに投資信託を購入してしまうということはまあそれなりにあるみたいです。
銀行側が勧める投資信託が実際に上がるのか下がるのかというのは運もありますから、一概に銀行が損をする投資信託を進めているとは言えないと思いますが、それらの商品は手数料が高めで、銀行が儲かる仕組みになっている、ということは耳にします。
本来であれば、手数料が多少高かったとしても、それを購入しているお客側も儲けることができていて、ある種のWin-Win関係性をつくることが理想なのだと思いますが、そこに銀行側のノルマみたいな話が出てくると多少お客が損をしても構わない、銀行が儲けられたらそれでいいという思考が入ってしまうのでしょうか。
投資信託の価値が下がっているから、何が起きているのか知りたい、運用商品を変えたいと銀行側に問い合わせても、担当者が異動したとか、もう少し待てば大丈夫なんて言葉でのらりくらりと交わされるという話もよく耳にします。
それがすべて真実かどうかは分かりませんけれども、仮に真実だったとして、背後にあるのは知識や情報の差なのだろうなと思います。
退職に向けた準備
そもそも退職金を手に入れるまで、投資について何も経験がないから、専門知識のありそうな銀行が勧めるがままに投資信託を購入するということが起きるのだと思います。
老後資金が心配という気持ちは分かりますし、恐らく銀行側もその不安をあおるような形で、では退職金を元手に増やしましょうという勧誘をするのだと思いますが、もしもその退職時点で老後資金が心配なのであるならば、退職金は虎の子であり、絶対に減らしてはいけない、注意深く使っていかなければいけないお金のはずです。
それを増えるかもという可能性に賭けてしまうのはちょっとギャンブルが過ぎるよなと思います。
要は、老後資金が心配ということは前々からわかっていることであるはずなので、もっと前から投資についてはある程度の経験や勉強をしておくべきところをしなかったツケだったり、それまで資産形成をしてこなかったことが、退職金の使い道を銀行に一任してしまうということにつながってしまうのではないかと思います。
いえ、もちろん、長年真面目に働いて人生を過ごしてきて、それでも老後資金に不安を覚えることがあるのは分かりますし、その真面目さを否定することもできないですし、自分たちの手数料欲しさに商品を進める側がより悪いと言えばそうなのですけれども。
ただ、いざその時になってバタバタするのはあまり良いことではないですよ、というのは思います。
そんなことを言う私が、じゃあ保険についてはどう考えているんだとか、人生のリスクヘッジ戦略はどうなっているんだということを尋ねられるとほとんど何も準備していませんから、偉そうに言う資格はないのかもしれませんけれどもね。
お金の話
確かに日本人はお金について大っぴらに議論を交わすことがあまり美徳ではないと思っている節はあり、上司や同僚との間での資産形成具合の情報交換もあまりしないということも知識不足に拍車をかけているかもしれません。
まあ、個人的にも上司や同僚とするのに、あまり面白い話でもないかもしれないとは思っています。
話をしていて、今の自分の資産はいくらでと得意げに話をする人はいますが、それを聞いていても面白くはないですからね。
同じ年代の相手の方が自分よりも資産形成が進んでいるじゃないかと感じた日にはそれこそ面白くないです。
それって、ただのつまらないプライドの話でしかなくて、別に資産が多ければ偉いというわけではないというのは分かっていますけれども、やっぱりそこには競い合いの変な気持ちが入ってきてしまいます。
なんというか、もしも自分の資産が10億円だったとしたら、それはもう十分な資産規模なのですけれども、他の人が15億円持っていますという話を聞くと、悔しいというか、負けたと感じるというか、そんなイメージです。
そこでたとえ負けていたとしても、自分の人生においては十分すぎるほど十分な資産規模で合って何の問題もないと思うのですけれども、なぜだかその満足感よりも、敗北感を感じてしまうということです。
そういう気持ちになる人が果たして多いのか少ないのか、よくわかりませんが、少なくとも私の場合は敗北感を感じてしまいそうで、であれば情報交換もしないでいいかとなってしまいそうです。
それでも今は、インターネットでいろいろと情報がとれる時代で、顔も名前も知らない赤の他人の資産状況については敗北感を感じることもありませんので、それらで学びながら自分でも試行錯誤をして資産形成をする、ということが良さそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿