省人化と不便さの間で


 

JRのみどりの窓口の数が減っており、利用しようとする人が長時間待たなければならないなどの不便を感じているというニュース記事を読みました。

 

JR側の思惑についてはよく分かりませんが、まずコスト削減をしたいというようなことはあるでしょう。

 

そもそもものすごく需要があれば、利用者が不便を感じるほどに数が減るということは考えにくいので、需要はあるものの、減ってきているというのもあるのかもしれません。




使う機会


 


私自身、みどりの窓口を利用する機会がないわけではありませんが、その機会はかなり限定されたもので、SUICAのキャンセル・払い戻しや、新幹線の切符の払い戻しくらいのものです。

 

普通に切符を購入するということは券売機でできるようになっておりますし、今ではインターネットを介しての購入もできるようになっています。

 

以前は、一部の夜間列車などはみどりの窓口でないと購入できないなどあったような気はしますが、今ではかなりインターネット対応がされているものと思います。

 

どうしても並びの席が欲しいとか、特別な事情がある場合は、みどりの窓口の係の方に調べてもらってその席を購入する方が手間は省けるのかもしれませんが、私自身の経験としてはそのようなことはありません。

 

ということは、恐らくですが、まず需要が減っているということがみどりの窓口の数を減らすための動機づけになっているような気はします。

 

そこに人件費もかけていられないよということです。




価値と対価請求

 



みどりの窓口で何かをしてもらうならそこに手数料を取りますよということをすれば、みどりの窓口そのものが金銭的に見えるメリットを生む場所になるのでしょうが、それをするとお客様からの評価は下がることも間違いないでしょう。

 

旅行会社を通して旅行を手配すれば当然に手数料がかかってきますので、そういう意味ではみどりの窓口が手数料をとっても理屈は通るような気もしますが、今まで無料だったものに費用が掛かるというのは世論が感情的に許さないでしょう。

 

理屈は通るけれども、正しいかどうかというのも正直分かりません。

 

その状況であれば、みどりの窓口を減らして、券売機やインターネットでの対応を拡充すれば、初期投資はかかるでしょうがランニングコストは下がることになると思いますので、JRとしてはそちらをやりたいということなのでしょう。

 

とても合理的です。

 

その分、その余剰になった人員を別の業務につかせることで、何かしらの価値を生んで利益を上げることもできるわけですから。

 

その一方で、全ての人がインターネットを上手に扱えるとはまだ言えませんし、券売機の操作方法が分からないということもあるかもしれません。

 

そういう人にとっては、友人対応をしてくれるみどりの窓口は、とてもありがたいサービスになりますから、そのサービスがなくなるのは困るというのも良く分かります。

 

ただし、自分が困るからということと、企業側がそのサービスを続けてくれるのかどうかということは全くの別問題です。

 

バスや電車の路線廃止や本数削減なんかと同じです。

 

そもそもそのサービスを提供することで、企業が利益を上げることができるのであればサービスを継続する、企業が利益を上げられないのであればサービスを終了するという、というのが基本的な考え方のはずです。

 

もちろん、儲からないサービスであっても、それが何かしら別の価値を生んでいるとか、企業にとっては別のメリットがあるということはあると思いますから、結局のところ、そのサービスを継続することで企業になにかメリットがあるのか、ないのかという点かなと思います。

 

で、みどりの窓口は、今の数までは要らないだろうという判断がされたのでしょう。

 

先ほどの議論に戻って、今の数は維持するけれども手数料を取るようにします、と言われると利用者側は文句を言うでしょう。

 

サービスは受けたいけれども、それは安いコストで受けたいと思うのは当然であって責められることではないとは思いますが、もっとお金を払ってでもそのサービスを受けたい、とまでは思わないのであれば、不満を持つのは自然なことでかまいませんが、だからと言って企業に求めすぎてはいけないよとも思います。

 

人口減少が進みながら、その一方でAIやテクノロジーの発達がある中では、こういう事例は色々なところで出てくるのかもしれないですね。

 

セルフレジなんかも最近は増えていますし、その反面で万引きが増えたというのもあるのかもしれませんので、トータルで見た時にどちらが得なのかを企業側は考える必要はありますが、省人化の流れは今後も確実に進んでいくと思います。

 

 


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