提供サービスと価格バランス


LCCと呼ばれる格安航空会社のチケットに、座席上の手荷物入れに荷物を入れるか、入れないかを選択できることがあります。


搭乗の際に、手荷物入れに荷物を入れるチケットかそうでないかで、プライオリティかどうかが分かれて搭乗になります。


手荷物入れを使用するかしないか、どちらかプライオリティとして扱われるか、ご存じでしょうか?


私は、効率を重視する格安航空会社なら、荷物をできるだけ少なくして乗り込む、航空機に重量負荷を与えない、乗り降りスピードも早い、つまりは手荷物入れを利用しない乗客の方がプライオリティが高いのではないかと思っていました。


実際には逆で、自分の考えの浅さを感じました。


確かに、よく考えると、手荷物入れを使用するチケットを買った乗客は、その分のお金を多めに支払っていますので、それだけでプライオリティは高いはずです。


また、そういう乗客を先に乗せないで、追加料金は支払わずに黙って手荷物入れを使用する乗客が出てしまうと、追加料金を支払っている人が荷物を預けられない、というゴタゴタを起こしてしまい、それによって出発時間が遅れれば、効率性は低下してしまいます。


自分の浅はかな考えということは反省しつつ、よく考えられている仕組みだなと思います。


お金を払うのであれば、その分は優先してサービスをしてあげますよ、ということを嫌う人も中にはいるかもしれませんが、みんなが平等に、安く、質の高いサービスを受けられますよ、というのは、受け手としては大変ありがたいものの、担い手からしたら負担でしかないですし、経済としてもデフレを招いてしまいがちです。


いい思いをしたいなら、対価もしっかり払う、というのはある種当然のこととも言えますし、それによってモノやサービスの担い手、供給者が経済的に豊かになることはそうあるべき姿なのでしょう。


今回のLCCでの体験は、同じようなサービスでも、無料である場合とお金がかかる場合がある、ということを認識するいい機会になりましたし、お金を払っていいサービスを買うこともまた当然なのだと理解しました。


まあ、LCCではない航空会社の場合には、もとから航空券価格が高いというのはありますし、その分、サービスもついてきているだけで、LCCの場合は構造が少し違う、というだけかもしれません。


日本は、無料でなるべく高い品質のサービスを受けられることが、よいサービスを受けるということ、という認識が比較的広がっている市場だと思いますので、よいサービスにはお金がかかって当然、という認識に変われば、少しは賃金上昇などにもいい影響がありそうな気もします。


日系の飛行機では、CAさんが満面の笑顔で対応してくれるところもありますが、気持ちはいいもののなんだかかわいそうにもなります。


最低限フレンドリーであってくれればよくて、過剰なサービスはむしろかわいそうになりますが、あれは会社方針で求められるのでしょう。


私はサービスを提供してくださる方には横柄にはならないよう、礼儀正しくフレンドリーに接するようにしています。


それが互いに気持ちいい時間を過ごすために必要だと思うからで、あれやこれやとサービスして欲しいからではありません。


たまに、見知ったお店では、そんなサービスしてもらっていいのかな、というようなサービスを受けることもありますが、それはあくまでも個人の関係によるもので、デフォルトではないと思いますので、ありがたく頂戴しつつ、今度はもっとお金を使わないとなあと思います。


もし、サービスに適切な対価を支払えば日本の物価は高くなるはずですし、今はちょっとサービスし過ぎかなと思うことが多いです。



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