国への自信と誇り



テレビ番組で、外国人旅行者に対して、日本がいかに凄いか、日本の何が好きかを語らせる番組があります。

へー、そういうところに興味があるんだなと正直に感じる時もありますが、よく考えると、こういう番組がやっているということは、そういう内容が視聴者ウケするからなんですよね。



自信のなさ?




ある種、我が国はすごい、こんなに愛されている、ということを日本人が知りたいと求めているということです。

極端な解釈をすれば、隣国の将軍様万歳ではありませんが、我々は世界に誇れる国である、ということを自画自賛しているのと同じで、それを自国民ではなくて、海外から来た人に言わせて信憑性を高めているということです。

そして、それをみた視聴者は、ああ、我が国は素晴らしいんだな、誇らしいな、と感じるわけです。

だって、日本人じゃない人が日本を誉めているじゃないかと。

もし私達、日本人が、ロシアの大統領が中国に行き、素晴らしい国だと賞賛したときいたら、眉唾ものどころか、政治って怖いね、それって本心かな、と思うのではないでしょうか。

それを持って、ああ素晴らしい国なんだなと正直に受け取ることはないでしょう。

一方、街頭でインタビューされている人は、好き好んで日本に来て、日本のどこがすごいと思うかの質問をされていて、なんなら気に食わない答えはカットされるわけです。

要は、私が言いたいのは、そういう番組や内容が頻繁に流されるということは、日本人が日本という国に自信をなくしていることの裏返しで、薄々、日本はいい国ではなくなっていることを感じつつも、第三者からそれを否定してほしいと思っているのではなないか、ということです。



素晴らしい国ではあります




私はなんだかんだで、日本は素晴らしい国だと思います。

確かに将来は暗いかもしれませんし、構造的に国力は落ちていくでしょうし、面倒くさい手続きもたくさんありますが、日本語がネイティブならすごく暮らしやすい国です。

比較的、安心安全、ルールがしっかり、サービス品質が高く、内線の火種もない、おいしい食事がある、などなど私が日本人だからというバイアスはあるものの、いい国だと思います。

ただそれでも、現状は経済的に明るくないですし、将来的にも明るい兆しがありませんし、GDPの世界ランキングが下がったというような暗いニュースがあるしで、日本人は少しずつ日本という国に対しての自信を失いながら、さらに言えばどうすればその自信を取り戻せるかも道筋がありません。

そんな中で外国人旅行者などの日本人以外の人から日本という国をほめてもらうことで、自己満足をしているというか、慰めてもらっているのかなという気がします。

ややうがった見方かもしれませんけれども、例えばナショナリズムが高まるのはその国が危機に瀕しているときだとか、何らかの抑圧を受けているときだと思っています。

また、自分の存在価値を認めてもらいたいときは、自分の存在価値が軽んじられていると思った時です。

だから、そういうテレビ番組が受けるということは、実は自日本人自身が自信を無くしているからなのかなと思うのです。



地震と反省



別に多少であればそういうことも必要なのかなと思うのですが、そこで思考停止してしまって、ああ日本はいい国なんだな、で終わってしまうと非常に残念だなという気はします。

日本は確かにいい国だと思いますが、より良い国にすることは可能だと思うからです。

具体的にどうしたらいいかという提案は私にはできませんが、もったいないよなあと思う瞬間はたくさんあります。

実際に、外国人旅行客が日本のこういうところがいいと思うと言ってくれるということは、間違いなく何かしらの魅力がある国ではあるので、そこは自信を持ちつつ、もったいない部分は改善できないか意識を変えるということかもしれません。

そういう意味では、一度日本以外の国で住んでみるというのが、日本の国としてのいいところ、悪いところの両方を知ることができる一番の方法だと思いますが、誰でもそれが経験できるかというとなかなか難しいのも確かですね。

海外旅行でいわゆる観光地に行くのでは感じられない、日本の国としての良さと悪さにもっと多くの日本人が気づけば、日本はもっといい国になると思いますが。


にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

0 件のコメント:

コメントを投稿