会社でより職位が上がり、意思決定をする立場になると、基本的には自分で手を動かすことは少なくなります。
ですので、何かを進めようとした際には、基本的には部下含めて誰かに手を動かしてもらわなければならなくなりますし、またそれをさせるようにするのが職位が上の人の仕事なのでしょう。
リーダーシップとマネジメント
で、よく言われることではありますが、マネジメントとリーダーシップ、この違いについて、最近、実感として少しわかるようになってきました。
つまるところで簡単に言うと、マネジメントというのは決められたことを管理することであり、リーダーシップというのは自分で道を拓きながら時にチームを率いる、ということだと理解をしています。
例えばですが、おやつの予算が300円と言われて、その予算内でなんとかやりくりしようとするのはマネジメントでしょう。
時に、もっとおやつの予算が必要なのでそれをなんとかして取りに行く、あるいはもっと大胆に、別のところに予算を使うべきだと提言する、それがリーダーシップでしょうか。
マネジメントの能力、リーダーシップの能力はともに大切だと思いますが、基本的にまともな人であれば、みなマネジメントの能力はそれなりにあると思います。
そうでないと、日常生活に支障をきたすでしょうからね。
だからこそ、マネジメントそのものは再現性も比較的高いのかなと思いますし、正解に近いスタイルもあるのだと思います。
一方で、リーダーシップの能力というのは結構人によりけりなのだと思います。
そもそも、どういうスタイルを取るのか、というのも人それぞれでしょうし、どれが正解というスタイルもないでしょうから。
私が最近思うのは、優秀な部下がいれば、その上の人間は高いマネジメント能力を発揮していれば、ある程度チームとしても成果を出せますが、その分、その上の人間がリーダーシップを訓練する機会が少なくなるのではないか、ということです。
結果として、チームとして成果を出したので優秀なリーダーだということで別の場所に行った際にも、これまでと同じようにマネジメント能力で何とかしようとするので、本来であればリーダーシップが必要とされる場面でもそれが発揮できない、ということが起こりえるのだろうなと思います。
もちろん、先ほども述べたように、マネジメント能力が高い人にリソースをふんだんに与えれば、確実に成果を出すと思います。
なぜならば、優秀な部下がそろっていれば、そもそも意思決定を求められる時点である程度まともな案が出てくるわけですので、あとはより判断の精度を高めればいいわけです。
逆に言えば、そのような状況に慣れてしまった人は、自分で手を動かして案を考える機会がなくなりますので、リソースがなくて自分で案を考えるとなると、とたんにスタックしてしまうこともあるのだろうと思います。
要するに
要は、自分は机上に挙げられた選択肢の中から意思決定をするのが仕事だと思ってしまうと、そもそもの意思について考える機会が減ってしまうのではないか、ということです。
もちろん、そのような人でも、意思決定をする際に、部下に対して、「あなたはどうしたいの?」と意思を問うことはあります。
ただこれも、それが正しそうか、正しくなさそうか、を判断するための質問であって、あくまでもマネジメントです。
リーダーシップというのは、むしろその意思を自分で考えて、時に人を説得して動いて実現してもらうことだと思うからです。
最近やりとりをすることのある方で、職位が上の方がいらっしゃるのですが、その方のやり取りを見ていて、すごく評価されてきた人なのに、あまり意思がない人なのだなと思うことがあり、ふとここに書いたように感じました。
私もどちらかというと、マネジメントの方が強い人間でして、リーダーシップというものは弱いかもしれません。
ただ最近は、自分で考えて方向を決めないといけない事案が多すぎて、徐々に、人に動いてもらうというのはこういうことか、ということがようやく分かり始めました。
人に比べたら遅いと思いますけど、自分がやりたいことなんて特にないんですから、仕方ないよな、とも思います。
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