米不足



コメ不足が叫ばれて久しいですが、そんな中で棚田オーナーなる仕組みがあるのを見つけました。

 

家庭菜園の棚田版とでもいうのでしょうか、単純に期待収穫量とそのコストを考えると決して安くはないのですが、自分の手でお米を育てる経験ができるというものです。

 

1口で借りることのできる棚田の広さは決まっていて、何口でも借りられますので、お金と引き換えにある程度のお米を将来的に確保するということは可能そうです。

 

収穫量からみたコストパフォーマンスは決していいものではありませんので、お米が欲しいだけであれば普通にその辺のスーパーで購入したほうが経済的なのは間違いありませんが、一つの経験として、特にお子様を持っておられるご家族ならより一層のこと、きょういくという観点から、非常に興味深い仕組みではないかと思います。

 

これから農家になりたいと言ってこの仕組みを利用する人はいないのではないかとは思いますが、ちょっと畑仕事や田んぼ仕事に興味があって趣味程度にやってみたい、という人にとっても手始めに取り組むのにはいい仕組みだと思います。




知り合いの話



 

私の知り合いには、家庭菜園での趣味が高じて農家に転身された方がいますが、もともとそのつもりはなくとも非常に楽しく感じてそう決断したというように言っておられました。

 

ある程度の職位にまで出世されていましたし、役員にはなれなかったとしてももう少し出世することもできた方だと思うのですが、スパッと会社を辞められたのが印象的です。

 

詳しくは理由を聞くことはありませんでしたが、ある程度の職位になり、毎日のように数字を見ながらいろいろと意思決定をされる仕事の生活に比べて、自分の手で何かを作り上げていく楽しさのようなものも感じられたのではないかと勝手に思っています。

 

勝手に思っているというのは、私がそう感じているからに他なりません。

 

大きなお金が動くダイナミックな仕事というのももちろんやりがいはあると思うのですが、地道にコツコツと積み上げていくような仕事にもやりがいはあります。

 

時に仕事は社内向けの資料作成やレポーティングにもなりがちで、それはそれで大切な仕事でもあるとは思うのですが、何かを生み出している意味のある仕事としては捉えにくくなる状況もあります。

 

それよりかはたとえ地味で小さな仕事、時にはあまり注目されないような仕事であっても、自分が主体的に動けて、自分で育てているかのような感覚を持てる仕事、のほうに楽しみを感じやすいというのはあると思います。

 

作物づくりというのはまさにそれそのものですし、目に見えてダメになることもある一方で、成長を見た眼で実感できるということもあり、自分の作業の成果が非常にわかりやすい、という点はデスクワークに比べれば格段に自分のやったことも結果を感じやすいと思います。

 

それなりのポジションで年収もよかったと思いますが、仕事からくるストレスももちろんあったでしょうし、本社部門におられたのでいわゆる現場からは遠いところにいて、現場のことも分かれとは言われるが、そんな時間はないというような環境の中、趣味の一環であった家庭菜園に面白さを感じていたというのは分からなくはないどころか、よく分かります。

 

もちろん、それを趣味ではなくて農業という仕事にするとなれば、自然を相手にしなければならなくなり、まったくもって楽なことはありませんし、それで生計を立てていくとなればむしろ厳しいことだと思いますが、恐らくは既にガッツリ稼いで資産形成をされていることと思いますし、お子様ももう大きくなっているということなのでそのあたりの一種の保険はあるのだと思います。




農業の可能性

 



私は農業そのものを生業にしたいとは思いませんが、大規模で効率的な農業をできる環境が日本社会に整えば、日本の食料自給率は上がるであろうと思っていますし、もちろん今は過去からのあるいは組織的なしがらみがあって実現することは難しいことであるともわかってはいますが、日本のため、ということを考えるとありえなくはない選択肢だなとも思います。

 

田舎の方に行くと、余らせた耕作地に太陽光発電のパネルを設置している光景も多く見ますし、それで儲かるのであればもちろんなにも否定はできませんが、そういうところでなにかしら効率を上げた大規模農業をすれば、地域の活性化にもつなげながら、日本という国への貢献にもなるのになと思っています。

 

 


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