コスパで考える風潮





 

 

 

以前から使われることはあったと思うのですが、最近コスパという言葉が若い世代を中心により使用されるようになっているようです。

 

そもそもの私の考えとして、もちろんコスパを意識して生きていくことは大切なことだとは思うのですが、コスパがいいからする、コスパが悪いからしないという考えで判断をする前提には、コストとパフォーマンスが正確に判断できるということがあると思います。

 




定義づけの問題




まずはそこで言う、コストとパフォーマンスとは何だという問題です。

 

例えばですが、あるファーストフードの朝食はコスパがいい、というコメントがあったとしてですが、そこでいうコストとパフォーマンスというのはいったい何を指しているのか、ということを本来であればちゃんと考えなければいけないのではないかと思っています。

 

300円でおなかいっぱい食べられる、という意味であれば、例えば価格がどうかとか、白米の量がどうかとか、食材の種類はどうか、といったことがコストとパフォーマンスになるのだと思いますし、多くの場合は支払う金額と満腹度でコスパが語られることが多いと思いますし、その視点でのみで語るのであればそれはそれで構いません。

 

ではそこに、栄養バランスや長期的な味覚への影響、といった視点がコストやパフォーマンスとして考慮されているかというと意外とされていないこともあるのではないかと思います。

 

私も学生時代には、なるべく安く、カロリーが多いものを選ぶ傾向がありましたので、そういう意味でコスパがいい食品というのは、健康という視点で考えると、必ずしもコスパがいいとは言えないと思います。




コスパの変動



 

次に、あるモノやサービス、活動などのコスパが、同じものであれば常に同じかと言われるとそうではなくて、特にパフォーマンスは変わりうるということです。

 

友達と遊びに行く、という活動を例にしてみると、同じ相手と同じ場所に行ったとしても、ある時はすごく楽しいこともあれば、ある時は全く楽しくない時もあるでしょう。

 

もちろん、経験則として、この相手と遊んでも絶対楽しくない、この場所に行っても絶対楽しくない、ということが把握できることはありますし、意外とそういう勘のようなものは当たります。

 

しかしながら、多くの場合は、実際に遊びに行ってみないことにはその経験のパフォーマンスがどうなるかというのは分かりません。

 

その遊びに行くこと自体は全然面白くなかったとして、その状況下で別の異性とたまたま出くわし、その出会いが自分の恋愛につながるとか、毎回そうなる可能性は低いですが、ないとは限りません。

 

複数の友人と一緒に遊びに行っていれば、別で複数できている異性のグループと仲良くなれる可能性もより高まると思っています。

 

なんなら、そこで冷たくあしらわれる経験をしたとしても、それはそれで友達同士の間でのいい思い出になる可能性を秘めています。

 

言ってみれば、何が出るか分からない宝くじみたいなものでしょうかね。

 

さらに言えばその宝くじは、一回引いたその時にすべてのパフォーマンスを享受できるわけでもなくて、長い時間をかけてパフォーマンスを享受するかもしれない可能性があります。

 

これらを考えるに、自分が既によく知っていること、良く経験していることについては比較的コスパを試算、想像しやすいというのは確かな一方で、場合によっては自分がコストとパフォーマンスについてきちんと把握していない場合があったり、場合によっては自分が想像もしていないようなコストとパフォーマンスを経験する場合もあるということです。





コスパの視点は必要だが十分ではない


 


セミリタイアを目指している身としての発言としてはおかしいかもしれませんが、若い世代が結婚も子育てもせずにひたすら40歳くらいまで働いて資産形成をしてFIREをするのがコスパがいいと考えているという記事を読んだ際に、果たしてそこでいうコスパというのは何なのだろうかと考えてしまいました。

 

結婚や子育てをコスパが悪いと思ってしまう理由は何となく想像はつきますが、それってコストやパフォーマンスの内容をちゃんと理解していますかと問いかけたくもなります。

 

もっと言うならば、そのコストやパフォーマンスを全部把握できている人間が若い世代に限らずにこの世の中にいないだろうとすら思っています。

 

確かに世の中には悪いニュースも多いですし、ネガティブな思考になってしまうとどうしてもでコストの事ばかりに目がいってしまいがちなのも良く分かりますし、実際問題、コスパが悪いのかもしれませんけれども、今日の朝に何を食べようかというレベルの選択の重さとは比になりませんから、ちゃんと考えた方がいいですよとアドバイスもしたくなります。

 

仕事をしていても感じることですが、よほど定型化された機械的な業務を除いて、世の中上手くいくことの方が少ないのであって、ほとんどは失敗するとも言えます。

 

そういう意味ではコスパが悪い仕事というのはたくさんありますし、もしかすると、そんな仕事ばかりかもしれません。

 

それでもその仕事を進めていく過程で、関係者の誰かと雑談したことが楽しかったとか、上市の愚痴を言い合って意気投合したとか、そういうことだってあるのが人生です。

 

それは直接的にその仕事をすることのコスパではないかもしれませんが、人生の中で幸せな時間を持ったというメリットがあるのも間違いないと思います。

 

コスパを気にするのは仕方ないですし、大事なことでもありますが、コストとパフォーマンス、そしてそこから生まれる副次的産物も含めて、正確に理解していた上での判断なのか、自分に問いかけてもいいのではないかとも思います。

 

 

 

 


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