特にコロナ禍で一気に日本でも需要が増えたと思うのですが、ウーバーイーツはかつては素晴らしい働き方としてニュース記事にもなることがありました。
ギグワークの形態として隙間時間に働くことができる、というのも人気の要因の一つになっていたと思いますし、それでも単価の高い仕事でそれなりに稼げるという点も評価されていました。
ウーバーイーツを利用できる飲食店の前には時間帯によって多くの配達員が集まっているなんてこともありましたし、マンションの高層階に住んでいる人が地階にあるコーヒーショップから1杯のコーヒーを注文したなんて話も嘘か本当か知りませんが聞いたことがあります。
待遇の悪化?
しかし、参入する配達員が増えるにつれて、徐々に仕事の単価が引き下げられたとか、競争が激しくなるので配達回数が減ったとか、中には劣悪なサービスを提供する配達員がいるのでイメージそのものが悪くなったとか、以前にはあった素晴らしい働き方としてのイメージが崩れていっているように思います。
これはある種当然のように思います。
配達業務自体、決して楽ではないと思うのですが、新しい働き方としてもてはやされて、なおかつ結構稼いでこれで生活が維持できますという人が記事になることもありましたし、そもそもが資格なども何もいらない、参入障壁がすごく低い仕事だと思いますので、競争が激化するのは当たり前です。
魅力的で、なおかつやりたいと思えばやれる仕事があるなら、みんながやりたいと思うのは当然ですし、運営側やお店側、お客側にしても誰が配達しようがそこまで差別化にはならないということであれば、コストはなるべく安い方がいいというのは自然の流れです。
まあ、今回の場合は、市場をぐっと広げた後で、運営側が懐に入れる利益を増やしているだけかもしれませんから、そういう意味では運営側がうまくやっただけの話かもしれませんが、一方で配達員の人の待遇は悪くなってしまったというところでしょうか。
しかしそうなっては、ウーバーイーツで生計を立てようとしていた人たちは大変困ることにはなります。
そもそも論か?
ただ、少し前提に立ち戻るとウーバーイーツでの働き方はギグワークなのか、生計を立てる手段としてのメインの働き方なのか、どちらなのだろうかという話に立ち戻ります。
ギグワークがもてはやされる背景には、長時間拘束されるような働き方では達成できない人生の目的を目指しながら隙間時間でお金を儲けられる、というようなことであって、必ずしも長期間にわたって安定的に生計を立てるための働き方ではない、あくまでも繋ぎの仕事として優秀だからということがあると思います。
であれば、その働き方で生計を立てようとするのはいいのですが、それをサラリーマンのような安定的な収入源であると考えるのはそもそもちょっと違うのかもしれないのかな、と思います。
ただ、そう考える人が増えてしまった結果、市場への参入者が増えて、自らの首を絞めてしまっていると考えることもできるのかもしれません。
ウーバーイーツでは稼げなくなった、冷遇されているという経験者の声を耳にすることも最近増えているのですが、構造上、仕方のないことというか、むしろ市場の原理が働いていると言えるのかもしれません。
セミリタイアをした際の働き方としても一時期もてはやされた気がしますし、捉え方次第では魅力的な働き方だとは思いますが、一方で安定した収入口とはならないのかもしれないですね。
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