作家の森村誠一氏がお亡くなりになられました。
詩人や作詞家として活躍したの西條八十氏の詩から、ぼくのぼうしというものをなぞ解きに活用した、人間の証明という小説も執筆されました。
すごく面白い小説ですので、まだ読んだことのない方にはぜひお勧めします。
ちょっとあらすじが違いますが、ドラマもあると思いますので、ビデオやDVD 、Web経由でも見ることができるのではないかと思います。
強い記憶
私がこの人間の証明を読んだ際に、あっと思ったことがあります。
それはまさに、ぼくのぼうし、の詩そのものなのですが、その詩はまさに昔から知っていたけれども何のことかわからずにいたものだったのです。
私は、その詩を、ドラえもんの漫画の中で読んだことがありました。
確か、昔に失くしたものや思い出の品物を取り出すことのできる道具で、それでのび太が麦わら帽子を取り出して、のび太のお母さんに見せた際に、まさにその詩の一節を言いながら見せていました。
子どもの頃の私は、当然にそれが実際にある詩の引用とはわかりませんから、のび太としての普通のセリフなのだろうと思いながら読んではいるものの、それにしてはセリフとして長いですし、のび太の普段の言い回しとは明らかに違うことも子どもながらに見て取れて、不自然な感じ、不思議な感じがしたものです。
だからこそ記憶にもずっと残ったまま、ただそれが何なのかは分からない、という状況が続いていました。
そんな中で、その人間の証明を読んだ際に、ああ、この詩をのび太も引用していたのか、ということがようやくわかったのです。
正確にはのび太ではなく、ドラえもんの作者の藤子不二雄氏が引用したのでしょうが、そう思うと藤子不二雄氏のセンスがすごいなというか、その時代には有名だったから引用されたのだろうか、とかいろいろと思いを巡らせたものです。
そこら辺にある漫画にも、孫氏の兵法いわくとか、そういう引用がされる孫氏もすごいのだと思いますけれども、この西城八十氏の詩が引用されていることは、私の中では強い記憶として残っていますので、だからこそ、森村誠一氏のこともニュースを見たときに、アッと思ってしまいました。
感謝
素晴らしい本を世の中に生み出してくださった森村誠一氏には大変感謝をしております。
この世の中にある本には、まだまだ私が出会えていない素晴らしい本がたくさんあるのでしょうね。
そんな本に今後も出会えることを楽しみにしております。
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